瞬間ズーム!Powerpointで画像を必要な時だけ拡大する方法(ポップアップもどき)

Powerpointでポップアップ

この記事では、Powerpointで画像や図形を必要な時だけ拡大・縮小する「ポップアップ(もどき)」のテクニックを紹介します。

  1. 簡単に設定できるがスライドショーモードでしか使えないもの
  2. 設定は手間がかかるが通常モードで使えるもの

を紹介していきます。少し手間がかかるし、そんなに需要がないかも?ですが、よかったら参考にしてください!


目次~PowerPointで画像ズーム~

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powerpointで画像をポップアップする(スライドショーモード)

手順

画像用のスライドを準備

ポップアップ後のサイズの画像を貼り付けたスライドを作っておきます。

画像のスライドを準備


関係ないスライドになるので、非表示(スライドショーで表示されない)にしておきます。

非表示スライドに設定
STEP.1のスライドをポップアップ(スライドズーム)に設定

ツールバーの 挿入 ⇒ ズーム ⇒ スライドズーム を選択

スライドズームの挿入


該当のスライドを選択します。

スライド選択


すると、下図のように挿入されます。

挿入後


ズーム ツールバーで画像のサイズや枠線の色・有無は調整できます。

枠線調整


ズームの設定も変えれます
・再度クリックした時に元のサイズに戻す設定(Back spaceでも戻れますが)
・指定サイズに到達するまでの時間を設定

ズームの設定
スライドショーモードで使う

通常モードでは使えません!

どういう動きになるかは、下の動画をみてください。

完成動画

■メリット:画像をクリックする必要はありますが、ポップアップと呼ぶにふさわしい

■デメリットは{ファイルの中に余計なスライドができる}、{ポップアップ画像が多いほど余計なスライドが増える}、{スライドショーモードでしか使えない(説明する人専用の機能)}


powerpointで画像をポップアップする(通常モード)

スライドショーモードって、プレゼン以外ではそんなに使わないですよね?もちろんお客さんや会社のトップに説明する時にはつかいますが、そんなのはエンジニアにとっては全体の1割にもなりません。

よって、通常モードでポップアップする方法を検討しました。

方法概要

  1. 画像を○倍、1/○倍するマクロを作っておく
  2. クイックアクセスツールバーに登録しておく
  3. 必要な時には画像を選択し○倍マクロを使う
  4. 終わったらControl+Zで戻すか1/○倍マクロを使う

手順

画像の倍率を変えるマクロを作る

① Powerpointで新規プレゼンテーションを起動

② Alt + F11 でVBAを呼び出します。

③ 標準モジュールを挿入します。

VBA1


④ コードを貼り付ける ※これは画像を10倍/10分の1倍にするものです。

Sub Fig10倍() ActiveWindow.Selection.ShapeRange.ScaleWidth 3.1622, msoFalse, msoScaleFromTopLeft ActiveWindow.Selection.ShapeRange.ScaleHeight 3.1622, msoFalse, msoScaleFromTopLeft
End Sub
Sub Fig10分の1倍() ActiveWindow.Selection.ShapeRange.ScaleWidth 0.31622, msoFalse, msoScaleFromTopLeft ActiveWindow.Selection.ShapeRange.ScaleHeight 0.31622, msoFalse, msoScaleFromTopLeft
End Sub
point

倍率を決めているのは、黄色い部分(10倍の場合は3.1622)なので、この数字を変更すれば倍率を変えれます。

この数字の2乗の値が倍率になります。

例の場合は、3.1622×3.1622=9.9995≒10となります。

5倍にしたい場合は、Excel上で『=sqrt(5)』で出た値(2.23606)に変えれば可能です。


2乗になる解説は記事のさいごの方で解説しています。

⑤ 名前を付けて保存する。
※名前は例えば『画像拡大縮小』とし、ファイルの種類を.pptmにする。

名前を付けて保存


VBAを閉じる

マクロをクイックアクセスツールバーに登録

PowerpointはEXCELやOutlookよりマクロを使うまでの手順が多いです。
(Excel、Outlookの手法は過去に紹介しましたので比較してみてください)


EXCELはアドインの登録が簡単

Excel_VBAの知識がなくても大丈夫!マクロを簡単に作成し、すべてのファイルで使用する方法


Outlookは特に設定なしで使える

片手で食事をとりながらメールを見る:Outlook(365)で既読→次のメールへ移動するショートカット


Powerpointは下の①〜⑩の手順をこなす必要があります。

先ほどのpptmファイルが開いている状態で、ホーム – オプション – クイックアクセスツールバー を選択し、コマンドの選択を『マクロ』にします。

クイックアクセスツールバーのユーザー設定を『〇〇.pptmに適用』にします。

オプション設定1


② マクロを追加する

オプション設定2

クイックアクセスツールバーに登録されると下図の様になる。
※この段階では『画像拡大縮小.pptm』のファイル上であればマクロを使えますが、他のファイルには使えない状態です。

クイックアクセスツールバーに追加された


③ pptmファイルを上書き保存し、名前を付けて保存でppamファイルとして保存する。
※プルダウンで種類をppamにしたら保存場所は勝手に変わるので、作業フォルダ(例えばデスクトップ)に保存します。
ppamのデフォルト保存場所は後で使うので、メモするかアドレスをコピーしておいてください

ppamファイルで保存


ここからさらに難易度が上がります。

デスクトップに保存したppamファイルを『7-Zip』や『Lhaca』系の圧縮・解凍ファイルで開きます。

解凍ソフトで開く


⑤ ppamの中身構成の中のuserCustomizationフォルダを開く

解凍ソフトで開いた画面


⑥ customUL.xmlを解凍する。7-Zipの場合は、この後ファイルの保存場所を聞いてくるので、デスクトップなどに保存する。

解凍する


デスクトップに保存したcustomUL.xmlをメモ帳で開く

ポイント

“onAction=”’画像拡大縮小.pptm’!Fig10倍”

“onAction=”’画像拡大縮小.pptm’!Fig10分の1倍”

という部分が肝です。このpptmの部分をppamに変更します。

customUL 変更前
変更前

customUL 変更後
変更後


⑧ メモ帳を上書き保存し、デスクトップのcustomUI.xmlを元の場所(ppamの中身)に戻す。

この時、本当に追加しますか?と聞いてくるので、「はい」にする。

customUL をもとの場所に上書き


これでppamファイルが整ったので、アドインファイルのデフォルトフォルダに戻す

ppamファイルを元に戻す


powerpointで新規プロジェクトを作成しておき、
ホーム – オプション – アドイン – 管理(A)をPowerpoint アドインにする – 設定を押す

アドイン設定1

新規追加

アドイン設定2

ppamファイルを選択

アドイン設定3

チェックが入っている事を確認し、閉じる

アドイン設定4


これですべてのファイルでマクロが使える様になりました。

全てのファイルで適用後
通常モードで使う

画像をクリックして

拡大前

マクロ発動

拡大後

どどんっ

ポップアップもどきですが、完成です。

■メリットは通常モードで使える

■デメリットは、{マクロを入れている人しか使えない(スライドショーモードのテクはマクロは設定不要)}、{画像をクリック+マクロ発動の2 STEPが必要

完成動画


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オートシェイプの拡大・縮小は注意が必要

画像はこれでいいのですが、オートシェイプを拡大する時は倍率設定が変わります。

画像サイズが縦横比固定になっているかで、縮尺度が変わる

画像を縮小マクロPick Up
Sub Fig10分の1倍() ActiveWindow.Selection.ShapeRange.ScaleWidth 0.31622, msoFalse, msoScaleFromTopLeft ActiveWindow.Selection.ShapeRange.ScaleHeight 0.31622, msoFalse, msoScaleFromTopLeftEnd Sub

マクロは色付き字部の2行で構成されています。
1行目は横幅の倍率設定(ScaleWidth)で、2行目が縦幅の倍率設定(ScaleHeight)です。

下図はExcelで同じようなマクロを作った時の画像ですが、画像サイズの設定が縦横比を固定するを適用する場合(チェックがある場合)ScaleWidthを変更すると自動でScaleHeightも変更され、ScaleHeightを変更すると自動でScaleWidthも変更されます。

チェックあり

【Excel】画像を瞬時に1/4倍(小さく)するマクロ!スクショを貼り付ける時に便利

Excel画像縮小サムネ 【Excel】画像を瞬時に1/4倍(小さく)するマクロ!スクショを貼り付ける時に便利


上のリンク記事の例では、マクロ1行目で縦横が0.5倍、マクロ2行目で縦横が0.5倍されるので、0.5倍×0.5倍(=0.25倍=1/4に縮小)されます。
よって、マクロ実行結果は、100mm角の画像が1/4のサイズの25mmに縮小(0.25倍)されています。

マクロ発動1


画像サイズの設定が縦横比を固定するを適用しない場合(チェックを外している場合)マクロ1行目で横幅のみ0.5倍、マクロ2行目で縦幅のみ0.5倍され、実行結果は0.5倍になります。

横幅のみ縮小イメージ2
縦横比を固定しない場合、マクロ1行目で図のように横幅のみ変更され、2行目で縦幅が変更されます。


オートシェイプは、デフォルトが図形の縦横比を固定するがオフになっているので、10倍 ⇔ 1/10倍する場合は、設定値を10 ⇔ 0.1 にする必要があります。

参考コード

オートシェイプを拡大・縮小するマクロ
Sub オートシェイプ10倍() ActiveWindow.Selection.ShapeRange.ScaleWidth 10, msoFalse, msoScaleFromTopLeft ActiveWindow.Selection.ShapeRange.ScaleHeight 10, msoFalse, msoScaleFromTopLeft
End Sub
Sub オートシェイプ10分の1倍() ActiveWindow.Selection.ShapeRange.ScaleWidth 0.1, msoFalse, msoScaleFromTopLeft ActiveWindow.Selection.ShapeRange.ScaleHeight 0.1, msoFalse, msoScaleFromTopLeft
End Sub

実務の会議でやってみたら、おおーっという声はあがること間違いなし!

ただやはり、EXCELのポップアップの様に万能感はありません。

使いどころを押さえて試してみてください。


パワーポイントのポップアップ関連ならこちらの記事も参考になります。

Powerpointちょいテク!アニメーションでポップアップするオブジェクトを隠しておく方法


記事内で紹介した関連リンク

見た目すっきり!Excelでセルを選択した時だけ画像を表示する(ポップアップする)方法

Excel_VBAの知識がなくても大丈夫!マクロを簡単に作成し、すべてのファイルで使用する方法

Powerpointちょいテク!アニメーションでポップアップするオブジェクトを隠しておく方法

片手で食事をとりながらメールを見る:Outlook(365)で既読→次のメールへ移動するショートカット


最後まで見ていただき、ありがとうございました。


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